Candy House
「イタタタタ…」

動けない上半身をどうにか起こして、脚の持ち主を確認。

「――安部さん…」

予想通り、安部さんがあたしの脚を抱き枕のようにして眠っていた。

一体どう言うことなの?

何があったって言うの?

確か、昨日の席順はあたし、上野さん、安部さんの順番だったはずだ。

なのに今は、あたしが2人の間にいると言う順番である。

訳わからない状況に、
「――んっ…」

それまであたしの胸に顔を埋めていた上野さんの頭が動いた。

「――あー…頭痛ェ…」

寝起きのせいでさらにしゃがれてしまっている声で、上野さんは指でこめかみを押さえながらあたしの胸から顔をあげた。
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