杉浦くんの手と私の手。

秘密

大っ嫌いな数学の授業が終わって私は背伸びをする。


これで今学期の授業は終了だ。


明日は終業式して終わり。


明後日からは長い長い夏休みがやってくる!


夏休みかぁ…。


私は筆箱をいじりながらため息をつく。


やることないし、夏休み何か無くてもいいのに。


そしたらなっちゃんと杉浦くんに毎日会えるのにな。


私は隣の杉浦くんをチラッと見た。


何でか必死に勉強をしている。





どーしたんだろう?


私が首を傾げて杉浦くんを見つめていると、不意に杉浦くんが私を振り向いた。


私は少しびっくりして体を後ろにそらした。


そんな私を見てニヤッと笑った杉浦くんは言った。


「夏休みの宿題全部終わったぜ!」


「…もしかしてさっきからやってたのって夏休みの宿題?」


「おう!!」


二カッと笑ってみせる杉浦くん。


すごい!!それはやばいよ!!天才だ!


っと言ってあげたいのはやまやまなんだけど…。


私は頬杖をして困ったように微笑んで言った。


「私はとっくの前に終わったよ」


「………」


む、無言!?


杉浦くんはジトーっと私を見つめたあと、机の上に頭をおいて動かなくなってしまった。
< 47 / 61 >

この作品をシェア

pagetop