君に咲く花火

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毎日のように朝日を見に出かけた。

ひとりで行こうとしても、必ずソムチャイが待っていてくれて、それは私たちの日課のようになっていた。

ソムチャイと見る朝日は毎回、とてもすばらしかったし、それは写真におさめても伝わらない美しさだった。

ホテルの仕事の合間に、バイクで山からの景色を見たりもした。


少しずつソムチャイとの思い出が増えてゆき、それがうれしい私がいた。


ある日の朝、なぜかお姉ちゃんの仕事についていくことになった。

現地のツアーガイドをしているお姉ちゃんは、普段は事務仕事。
現地ガイドじゃ手が回らなかったり、日本人ガイドを指名されたときだけガイドもしているそうだ。

今日は事務の日、ということで私を社長に紹介したいらしい。
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