一生に二度の初恋を『あなたへ』

・王子様とわたし



あれからどれくらい日が過ぎただろう。


わたしと斎藤くんは何事も無かったかのように何も変わらない生活を送っていた。


わたしだけが勝手に想って、小さなことで喜んで嬉しくなって、悲しくなって。

そんな、一方通行に恋する片想いの日々だった。



「暑い……」


夏の始めの体育の時間。身体が暑さに慣れてないからか最近の体育は特にきつすぎる。


体育館の大きく開け放された窓から見える外の景色は、雨と灰色の空が混ざって何だか切なかった。



「はぁ……」


気温が高いに加えて湿気が多くムレてるからかな……汗で身体がベタついて気持ち悪いよ――。



もう……だから暑いのは苦手なのに……。



「はあぁ……うぅ――」


それに二つのクラスが合同の体育に加えて男子も女子も体育館にいるから人口密度も高いよね。



「位置について、よーい、ドン!!はい次ー、速く並んでー」


何で先生はこんな気候の中元気なんですかって本気で質問したいぐらい。

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