チャンスの神はここにいる
いざ参らん。戦国の舞台へ


「純哉君」
あまりの驚きに声が裏返ってしまった。

「ほら。早く家に入れろ。今日の録画してんだろ」

抱き合う私達に堂々と言う純哉君。
威圧感バリバリ。

「録画してます」
亮平君の胸の中で返事をすると

「部屋はどこだ?亮平とコンビニ寄ってから行くから、用意して待ってろ」と……亮平君を私から引きはがし、すがる目をした相方を連れて行ってしまった。

大魔王
行動が早すぎる。

草むらで鳴いてるスズムシが、取り残された私を慰める。

って
呆然としている暇はなさそう。
あの調子だと本気で私の部屋に二人で入り、大反省会になりそうな気配。

ポケットの携帯を取り出して、時間を確認。

AM2;00ジャスト。

明日9時に事務所集合だから
本当はすぐお風呂に入ってメイクを落し、マッサージしてパックして、ストレッチして熟睡しなければいけないのだけれど……そうはいかない気配。

何も考えず
部屋を片付けなきゃ!

私はサンダルダッシュで部屋に向かって走り出す。

初めて彼を部屋に入れるのに
ピンクのパンツが干してあるし
服も散乱中
買った生理用品がそこら辺に置いてあったかも
てか
彼氏だけじゃないし。
俺様大魔王も一緒だし。

脳内で部屋を片付け
部屋に入ると
シュミレーション通りに動き
ワンルームの部屋を何とか綺麗にする。

お疲れ&落ち込みMAXの1日の終わりに
まさかクイックルハンドワイパー持ってあちこち掃除とは

いや
掃除だけで済めばいい話か

蒸し暑さに窓を開けると
亮平君と純哉君がコンビニの白い袋を持って、私に気が付き手を上げる。

さぁ
大反省会の時間だよ。
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