完璧上司は激甘主義!?
潔癖上司と休日デートを楽しむ方法
「大変申し訳ありませんでした」

自分の部屋とは思えない綺麗に磨かれたフローリングの床に正座し、朝っぱらから上司に向かって土下座をする女は、きっと私だけだろう。
手を膝の前で綺麗に揃え、怖くて顔を上げることが出来ない。

そんな私に無情にも言葉が降ってきた。

「新、いいから頭を上げろ」

頭上から降ってきた声は上司であり、そして恋に恋する相手でもある南課長なのだから、当然緊張感がピークに達する。
それもそのはず。
起きてすぐに気付いた部屋の異変。不審者だと思ったいた人物はまさかの南課長で、そしてあろうことかつい昨日まで汚部屋だった部屋が、業者が入ったかのように輝いて見えたのだから。
そしてまさかの水回りまで掃除してもらい、お風呂を焚いてもらっていたという現実に困惑しながらも、なんとかお風呂に入り、そして石鹸とシャンプーの香りを漂わせながら、事の成り行きを聞き終えると同時に、今の状況へと陥った。

だけど土下座のひとつやふたつ、したくもなる。
自分でも耳を塞ぎたくなるような言動の数々をしてしまっていたのだから。
目の前に大きな穴があったら是非ともすっぽりと入り込み、蓋を閉めてしばらく現実世界との接点を遮断したいくらいだ。
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