愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
 そう言えば昔クリスマスに私が泣いてた時に、誉が言ってたような。

 誉は「俺が大きくなったら瑠璃に大きなケーキかってやる。だから泣き止めよ」そう言っていた。

 他にも何か言ってた気がするけど・・・覚えてない。

 あんな小さい頃の約束なんて、もう時効にしてもいいのに。

 どうしてこういう時だけ優しくなるの?

「・・・ズルい奴」

 私の顔を見て、誉は目を細めながら微笑する。

「来年も再来年もそのまた次の年も、ケーキ買ってやるよ。もうお前は1人じゃない」

 誉のこの上なく優しい言葉に、私の涙は止まらなくなった。

 胸が熱い。

 こんなに幸せな気分になったのは初めてだった。
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