いちごみるく

失恋

『村ちゃぁぁぁん!』

職員室の前で会議が終わるのを由衣と待っていた。





手を振ると村ちゃんはいつも優しい笑顔で迎えてくれる。






『えりぃ~!お前ちゃんと勉強してんのか?』

村ちゃんはちょっと意地悪な顔をして私の頬をつねった。




『いったぁぁぁい!ひどいー!虐待だぁぁ(>_<)』



『村岡先生~生徒いじめちゃだめよ~(笑)』
家庭科の三村先生が村ちゃんをからかう。


『いじめてないっすよ!教育です(笑)』


『三村センセーたすけてぇ(笑)』









幸せ。







午後の授業開始のチャイムがなるまで私は村ちゃんの所にずっと入り浸っていた。



『はい。コレ♪』
『ん?』
『いつもの★』
『おっ。ありがとな。』






【いつもの】で【手紙】ってコトが分かるくらい、手紙を書いて渡す癖がついていた。









午後の授業はいつも眠い。
村ちゃんに手紙を渡した達成感と、お弁当食べたあとの満腹感、そして、日差しのポカポカ感に負けて、重い瞼にまけそうだった時、机の上に四つ折りにされた小さな手紙が置かれた。

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