海底の王国〈封印編〉

「特訓」

「…自分、宿舎で寝ますから、はなしてもらえませんか?」

「い〜や〜だ〜!」

ベッドに横になったままロイズが言うと、両隣に寝ているフレアとユラが、ロイズの腕をつかんで叫んだ。

ロイズは起き上がる事が出来ず、あきらめると目を閉じた。



夜の11時過ぎになっても、テンションが高いフレアとユラは、夜ふかしをしていた。

ユラはフレアの部屋に泊まる事になっていたが、ロイズは、宿舎に泊まるからと出て行こうとすると、二人に止められベッドに引きずり込まれたのだった…

「…分かりましたから…はなして下さい、二人とも…」

ロイズがそう頼むと、二人は寝たフリをしてムシした…




「…ロイズ、起きて頂けますか?」

フレアとユラの寝息が聞こえはじめた頃…ふいに声がかけられ、ロイズはその人物を見た。

「…ライサ…手伝ってもらえませんか?」

間接照明に照らされた侍女の姿に気づくと、助けを求めた。

フレアとユラに両腕をしっかりつかまれ、身動きが取れないのだ…

ライサは腕をつかんでいる、主の小さな手をほどくと用件を伝えた。

「…陛下が、お呼びです…」

「分かりました…」

ロイズはベッドから降りると、ライサに案内され玉座の間に向かった。
< 51 / 81 >

この作品をシェア

pagetop