理論と刀と恋の関係。

素顔を見せて

ちょ…ちょっと待て。



「ぇ…あの沖田さん、今なんて…?」



「ですから、化粧、おとしてみて下さいよ」



…聞き間違いではなかったらしい。



私が焦っているのが分かったのだろう。



悪ガキ同然の笑みを浮かべて迫ってくる沖田さん。



「や、嫌ですよ!

すっぴん不細工だし…!」



「そんな事どうだっていいんですよ。

大体、これからここで過ごすのに、素顔を見せないなんて、出来る訳ないでしょう?」



精一杯の拒否も一刀両断された上に、ここで沖田さんは正論をぶちかましてくる。



…う、これは反論できない。



「あ、そうだ。

あのですね遥花さん。

…僕、きっとあなたより年上ですよ?」



(…どこかで聞いたセリフね、それ)



遥花は全く覚えていなかったが、沖田は年下扱いされたことを根に持っていたらしい。



「沖田さん…お幾つなんですか?」



その問いに、待ってました!とばかりに沖田さんは胸を張る。



(…やっぱ年下でしょ)



遥花が呆れたのは言うまでもない。



「ふふ…僕は21歳です!」






ドヤ顔の沖田、目を見開く遥花。



…中々面白い構図である。
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