星屑のバラード
射し込む光
真っ白な空間

真っ白な天井

真っ白なベッド

そして顔には大きな真っ白なガーゼ


あっそういえばわたし、殴られたんだっけ…

少しずつ昨日の記憶がフラッシュバックする

こわい…!


「あ、気がついたか?」

「えっ誰?!」

「落ち着け、俺は手出したりしないから」

呼吸ができなくなってきた

「はぁっはぁっはぁっ」

「大丈夫だ、ゆっくり落ち着こう」

「深呼吸、深呼吸、焦らないで大丈夫」

「大丈夫だよ、ゆっくりね、吸って〜吐いて〜、吸って〜吐いて〜」

パニックになっているわたしの手を握られて、体が強張った

優しく握ってくれる手をあまり力の入らない手で握り返すと、さらにギュッと握り返してくれる

男の人が怖いはずなのに、この人何故か落ち着く

なんで…?

< 11 / 35 >

この作品をシェア

pagetop