白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
9 過去って言っても、もうそれは存在しないじゃないですか。


「じい様から聞いたのか?」
 


教授室を、昨日俺が綺麗にしてどこでも足の踏み場がある状態にしたはずの教授室を、

またあんな騒ぎが起こらないように掃除していたら、星が空を埋める時間になってしまった。
 



……俺、料理はさっぱりだけど、掃除スキルは身についていたらしい。



大学生の先輩たちに感心された。





大学は高等部とは離れているけど同じ敷地内にある、と言っても、やはり大学部の方が山に近く造られているので、高校に通うよりは道のりがある。
 


――というのは以前の話で、滝篠家から通っている今は大学部の方が、高等部への行き帰りの途中にあると言える、



「何を?」



「じい様の娘の話」



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