コスモスの花が咲く頃に
ある日、体調の悪いお父さんを心配して寝ている部屋に行くと…

「あっちへ行きなさい…」と、怒ったように言われ、部屋を追い出された事がある。

小さい私は、嫌われてしまったと思い悲しくて、一人で泣いていた事を思い出す…

それから、間もなくして…

お父さんは、他界してしまった。




あれから、とても長い時が過ぎて…

お母さんが、私に教えてくれた事がある。

一つは、お父さんは肺の病をわずらっていて、子供の私に移してはいけないと考えていた事…

もう一つは、

「なつかれたら、かわいそうでしょう…」と、母に話していたという事だ。


今になって、お父さんのこの言葉の意味を考えてみる…

…残していく、小さい私の事を思って…

゙自分が死んでも、あまり悲しまなくてすむように…゙

という、考えだったのだろか…?
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