。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。

誕生日会!?



□ 誕生日会!? □



あたしが退院して一日後のこと。


8月13日。その日は千里の誕生日だった。


リコのお部屋にて


「「お誕生日おめでと~!!★千里っ!!」」


パンっ


クラッカーを鳴らして、あたしたちはリコママが用意してくれたホールケーキを囲んでいた。


「何か…この歳になってまで誕生日会とか恥ずかしいけど…でも、さんきゅ~な」


千里は照れくさそうに頭の後ろを掻き掻き。


「なによ~嬉しいくせに!喜びなさいよ~」


リコは唇を尖らせていたが、千里のとろけそうな笑顔を見てるとやっぱり嬉しいんだな、と実感。


リコも……楽しそうにしてくれて良かった。


千里からリコが塞いでるかも??て聞いたし、どうなるかと思ってたけどいつも通り元気過ぎるほど元気。


「これ、あたしたち二人からプレゼント」


あたしとリコが二人で黒い包装紙にシルバーのリボンが掛かった長細い箱を千里に手渡すと


「何だろう」


千里はさっそくその包装紙を取り去った。


中かから出てきたのは、千里のイニシャルである“S”の文字のペンダントトップと、ちょっとごつめのクロスのペンダントトップを、シルバーチェーンと合わせたペンダント。


「すっげぇ!かっこい!!サンキュな!!♪二人とも」


「リコと二人で選んだんだ~。ね~♪」


ご機嫌にリコを見ると


「ね~♪千里にはちょっとかっこよ過ぎかと思ったけど、朔羅がこれにしよって」


「すっげぇ嬉しい!」


千里はプレゼントを気にいった模様。


ふぅ、悩んだ甲斐があったぜ。


「朔羅の快気祝いも兼ねて☆かんぱ~い♪」


リコがあたしのジュースの入ったグラスに自分のグラスをこつん。


それこそ何だか恥ずかしかったが、(だってたかだが日射病だぜ?)


「その節は大変ご迷惑をおかけシマシタ」


あたしはひたすらに平謝り。


「いいって、いいって!そんなん誰にでもあるし」


と千里が慌てて、話題を変えるように「これ付けていい?」とペンダントを手に取る。


「いいよ」と答えるまでもなく千里は勝手に付けてるし。


でも想像した以上に良く似合ってる。


それを見てこれを選んで良かったぁって思った。


お誕生日会ってことで、リコママが気を利かせてピザなんかもとってくれて、


久しぶりの三人このメンバーであたしたちは大いに盛り上がった。






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