キミとひとつになれたら

静かな安らぎ






「落ち着いた?」



家の中のリビングに通されて、温かいココアを入れてくれた。




「うん。ありがとう」



やっと涙が引いて、落ち着いた。




結局、見せちゃった。
弱い一面を彼に……。




「小春ちゃん」



向かい側ではなく、隣に座る彼は私からマグカップを奪い、それをテーブルに置いた。


そして私の手を、指を絡めて握った。





「何が、あったの?」


「……」


「話してよ。力になりたい……。小春ちゃんのためなら、何でもするから…」






やけに久々に感じた。





人の優しさに触れたのは。


こんな私に、こんなに優しくしてくれるなんて……。





「わ、私……」



彼には、心をかき乱されてばかりな気がする。




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