学園マーメイド
Breath...01

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県立雄姿体育学園。
そこが、私の所属している高校。
中学時代に功績を残した者や、並外れた運動神経者が入学を許可される言わば、特待生の集まりの学校といっても過言ではない。
もちろんそんな体育馬鹿の集まりだけの学校ではない。


学科は分けて三つ。
体育科、勉学科、文化科。
名前の通り、それぞれがその目的に向かって進学出来るようになっている。
校舎は2つに分かれていて、北が体育科、南が勉学科と文化科。
有名と言えば有名で、他県からもたくさんの人が入学を希望するため寮が設けられている。
自分も他県からの入学で寮生活をしている。
家から学校まで辛うじて通える距離だが、家に居たくない。
だから逃げるようにしてこの学校に入学したと言われても間違いは無い。


北校舎の自慢の一つ、カフェテラスで(自分曰く)極上のミルクココアを飲みながら読書を楽しむ昼休み。
私を呼ぶ声がして顔をあげると、



「蒼乃(あおの)、また一人で本なんか読んじゃって!ランチ誘ってって言ったのに」



それまたこの学校で唯一友達と呼べる、神崎光(かんざきひかり)が小さい頬を膨らませながら歩いてきているのが目に入った。

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