不器用なシンデレラ
17、好きな女を守るためなら ー 理人side
 夕方の5時前に本田さんと一緒に取引先から会社に戻ると、営業の山田さんが青冷めた様子で本田さんに駆け寄って来た。

「本田さん、どうしましょう?」

 山田さんはかなり動揺してるのか、本田さんの両腕をがっしり掴んで揺する。

「山田、それじゃあ訳がわからないんだけど、お前は新人か。
 本田さんが呆れた様子で、山田さんの両手を振り払う。

「それが・・・A社の契約更新が今日の4時だったんですけど・・・別の取引先のトラブル対応があって、A社の契約書を届けるのを山下さんに任せたんですけど、A社の総務部長から契約書がまだ届かないって連絡があって・・・・」

「馬鹿かお前は。新人に大事な契約書任せてどうする。そういう時は僕に指示を仰げ。山下さんはどこ?」

「それが・・・連絡が取れなくて」

 山田さんの声が段々か細くなる。

「はあ?何で僕に連絡して来ない?」

 本田さんが珍しく山田さんを睨みつける。
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