不器用なシンデレラ
 私って本当に馬鹿だよね・・・・・。

 そんな私を小さい子供たちが描いた可愛い絵が癒やしてくれる。

 そして、ピアノ。

 子供たちと一緒に弾くピアノは楽しい。

 私の大好きな日だまりのような笑顔がそこにある。

 ピアノに軽く触れていると、安田先生がお茶を入れてくれた。

「お気に入りのハーブティーなの。いい匂いでしょう?子供たちには内緒よ」

 勧められたお茶は、沈んだ私の心を少し温かくしてくれた。

「・・・美味しい」

「気に入ったのなら、後で分けてあげるわ」

「ありがとうございます」

「実はね、年長さんを担当している先生が1人、9月に産休に入るの。後任の先生を探してるんだけど、なかなかいい人が見つからなくて。花音ちゃん、幼稚園教諭の免許持ってたわよね?うちで先生やってみない?夢だったでしょう?返事は来月までで良いから考えてみてくれないかな?」
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