処置室の隣の部屋に祖母はいた。

 看護婦さんが1人黙々と祖母の身体を綺麗にしていく。

 お医者さんはもういなかった。

 私は・・・間に合わなかった。

 部屋に一歩足を踏み入れると、私の気配に気づいた看護婦さんが悲しげに微笑んだ。

「ご家族の方?おばあちゃん、すごく頑張ったんだけどね。出血が酷かったの」 

 確かに、祖母の側にある布は血だらけというよりは、血で濡れている。

「・・・おばあちゃん、ごめん。私・・間に合わなかったよ。おばあちゃん頑張ってくれてたのに。1人で怖かったよね」

 祖母に駆け寄って、彼女の手を取る。

「・・・・」

 驚いたことに祖母の手はまだ温かかった。

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