聖なる夜の奇跡~身分違いの恋~
第2章~2人の出会い~
12月の空は、見るたびに表情を変えた。


大介にもらったマフラーが、風の冷たさと、心の中の不安をやわらげてくれた。



12月に温泉旅行に行こうと、いつか大介は言ってくれた。

最初から期待していなかったし、行けるわけがないと思っていた。


なのに、どうしてこんなに涙が出るの・・・


早退した私は、午後3時の空を見上げながら、ゆっくりと歩いていた。


都会の中で、空を見上げる機会が減っていた。



ビルとビルの間から見える雲は、ゆっくりと動き、忙しすぎる人間を呆れ顔で見ていた。

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