~それは、あの時から~



―――12月23日クリスマス・イヴ前日


本部長に奥村君と関わるなと釘を刺され、ここ数日、私は意識的に彼を避けていた。本部長に変な誤解をされるくらいなら、その方がいいと思ったから……


それに私には、解決しなければいけない問題が残っている。正直、今はそっちのことで頭が一杯だった。


―――今夜、先生に別れを告げる


ちゃんと先生の顔を真っすぐ見てハッキリ言うんだ。「さよなら」って……


既に決断したことなのに、会う時間が近づくにつれ不安が増していく。そんな感じだから、昼食もほとんど喉を通らず、早々に社員食堂を後にした。


まだ昼休みが終わるまで30分近くあるのか……そう思いながら重い足取りで企画部に戻り、ドアを少し開けた時だった。


「嘘つき!明日は会ってくれるって言ったじゃない!」


浜中さんの怒鳴り声が聞こえ驚いてドアを押す手を止める。何事かと部屋の中を覗くと、浜中さんがスマホで誰かと話していた。


「酷い……今年は大丈夫だって……2人でイヴを過ごそうって……守れない約束なんてしないでよ」


浜中さん、電話の相手は彼氏?


「……奥さんと一緒に居たいなら、ハッキリそう言えばいいでしょ?」


えっ……奥さん?じゃあ、浜中さんの彼氏は……私、聞いてはいけない会話を聞いちゃったみたい。


ソッとドアを閉めこの場を離れようとした。でも……


「澤田……さん?澤田さんでしょ?」


私に気付いた浜中さんが近づいてくる。


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