~消し去りたい記憶~



―――高校3年生の冬


その日は小雪がチラつくとても寒い日だった……


体育の授業はバスケ。皆楽しそうにボールを追っている。でも私の気持ちは暗く沈み、とても皆みたいにはしゃげる状態じゃなかった。


コートから少し離れた場所で膝を抱えて座り、走り回るクラスメートの姿を目で追っていると誰かが私の肩を叩く。


「莉羅、大丈夫?」

「……未久」

「仕方ないよ~相手は先生だもん。告白なんて無謀だったんだよ」


体育の授業が始まる前の昼休み私は先生に告白し見事に撃沈。失恋していたんだ。


「でも、カンナが……ちゃんと気持ちを伝えた方がいいって……このまま何も言わないで卒業したら後悔するからって……」


私が先生のことを好きになったのは、この高校に入学した1年生の春。それから親友のカンナと未久に色々相談に乗ってもらってた。


別に特別な何かを求めてたワケじゃない。ただ、先生と授業中に目が合ったり、下校時に声を掛けられるだけで十分幸せだった。


そんな小さな幸せを2人に聞いてもらってワイワイ盛り上がるのが楽しくて……


でもカンナの考えは私とは全く違っていた。想ってるだけなんてバカみたい。絶対気持ちを伝えるべきだと私を嗾(けしか)け、告白するよう迫った。


自分が間に入ってあげるから心配いらないと、勝手に1人でテンションを上げ、私は置き去り状態。


初めの内は、さすがにそんな勇気はないと渋っていたけど、カンナの熱意に根負けし、仕方なく首を縦に振ってしまった。


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