~覚めない悪夢~



電車を降りマンションに帰る途中、スマホが鳴った。メールだ……確認すると彩乃からだった。


《莉羅、お疲れ!初出勤はどうだった?都基にメールしたけど返事が無くて……

企画部の人は優しい人ばかりだから大丈夫だと思うけど、無理せず頑張ってね。分からないこととかあったらいつでも連絡して。

私はまだ仕事中。最近、残業が多くて……じゃあ、近い内に飲みに行こうね!》


優しい人ばかりか……


複雑な気持ちでスマホをバックにしまおうとしたら、今度は電話が掛ってきた。


「あっ……」


相手が誰か分かった瞬間、どんよりと沈んでいた気持ちが一気に高ぶる。


「先生……」

『莉羅、今日から仕事だったんだろ?もう終わった?』


その声を聞いただけで泣きそうになる。


「先生、私……」

『実はさ、今莉羅のマンションの前に居るんだよ。まだ帰って来れない?』

「えっ?私のマンションに来てるの?」


マンションまであと100メートル程。私はすぐ着くからと言って全力で走り出す。そしてマンションの玄関の前に立つ先生を見つけると夢中で抱き付いた。


「おいおい、どうした?」


広く温かい胸に抱かれ、堪えていた涙が溢れ出す。


「莉羅?泣いてるのか?仕事で何かあったのか?……とにかく部屋へ行こう」


先生に肩を抱かれもつれる足でマンションに入る。そして部屋の扉を閉めたのと同時に声を上げて泣きじゃくってしまった。


この作品のキーワード
オフィスラブ  ホワイトデー  再会  同窓会  大人女子  裏切り  同級生  クリスマス  親友  大人の恋