星降る夜に。
だとしたら今もポケットの中にあの人の連絡先が――――。




「新婚旅行は莉子が連休に行ったリゾートに行ってみたいんだけど。海外もいいんだけど、僕も行ってみたくなって。あ、でもそれはお正月にみんなで一緒行くほうがいいかな?莉子の両親とお姉さんたちと、うちの親とで。新婚旅行はやっぱり二人じゃないとね」


「あそこはお姉ちゃんも連れて行ってあげたいと思ってたし、賑やかで楽しいほうがいいよ」


「それなら新婚旅行のプランの一つにしよう」




行きたくない。


なんて言えない。

私はあのリゾートで楽しんできたことになっている。


でもあの場所で、あの砂浜で、あの空を見上げたらきっと、私はあの日々の中にタイムスリップしてしまう。
愛された時間の中で立ち止まって動けなくなる。あの島には思い出がありすぎる。


どうしてこんなに胸が騒ぐんだろう。今更どうにも出来ないことなのに。
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