どう変わりたい…


言葉が出てこなかった。
具体的なモノは何一つなくて、今のままではダメだと思っただけだったから。

射るようなモリの瞳を避けるように、視線はさ迷うばかりだった。


「強く…なりたい」


間違っては、いない…でもピッタリな言葉は思い付かなかった。


「じゃあ、仕事辞めるなよマメ。
派遣さんは俺ら正規雇用とは違うルールで働いてる。
強くなりたいなら、先ずは逃げることを考えたらダメだ。」

私に真剣な眼差しを向けるモリの言葉に胸が熱くなる。

「……沢山逃げてきた俺が言うのもナンだけど。
どっかの、偉いオッサンが

『あなたが今まく種は、
やがて未来となって現れる』

って言っててさ、
簡単じゃないけど、努力は報われるんじゃないか?その為に嫌でもやらなきゃいけない事もあるだろ

負けるなよ…マメ」

照れたように大きめの前歯を見せて笑うモリに向かって、込み上げてくる涙を堪えるように大きく頷いた。

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