【完】 Squall  ~いくつもの恋をして~



週末に飲んでいくかと恋人もいないみやちと私。


仕事が終わり歩いていると後ろから課長の声。


「これから、桐谷と飲むけど一緒に来ないか?」


そんなお誘いにみやちはビビる。


「いや、俺、そんな」


「宮川は俺の友だち作りを拒むのか。浅木は了承してくれたぞ」


「みやち、私も会社の人しか知り合いがいないの。課長は初めての友だち」


駅まで歩きながらもみやちは意味わかんないって顔をし続け


「会社でも仲良くはしているけど休みの日に会う人はいないの。別れが待っているのがみやちはわかるでしょ?」


「あぁ…」


「課長とはボストンでも逢えるし」


鼻で笑ったみやちはすべてを理解し


「じゃあお呼ばれさせていただきます」


頭をぺこりと下げるみやちの右手をとり


握手だよって笑えば


「よろしく」と課長の右手がしかりと握る。


下げそうになるみやちの頭を後から支え


「下げない」って吹き出した。





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