キミと帰る道
◆13 告白と雨の涙
【◆13 告白と雨の涙】





(光輝)





「———好き…っ!」





その言葉に耳を疑う。
だけど、いつになく真剣な瞳で俺を見てくるすず。








…すずは俺のことが、好き…?








本当は、すずにそんなことを言われて嬉しいのに。
なぜか、それよりも辛いという気持ちのほうが大きくなってくる。





俺は……いつもそばにいてくれた、聖羅のことを裏切れねぇよ…。
大切な幼なじみのことを…。





「……っ、ごめん」





わかってる。
これは、すずのことだって傷つけることを。





だけど、聖羅のことも傷つけて。
小さい頃からそばにいたのに。
あんな悲しい顔をしてわざわざフってきたのに、俺は新しく誰かを選ぶことなんてできない。





「…ん、そうだよね…。
…あ、私…帰るね…?」





俯いて途切れ途切れに話す、すずは俺の右手から左手を離すと。
走って駅の方向に走って行ってしまった。





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