キミと帰る道
◆5 妹と幼なじみ
【◆5 妹と幼なじみ】





(光輝)





病院には行きたくない。
あの独特の匂いと…あの白い箱の世界。




あの空間で、10歳はなれた妹の華菜(かな)が懸命にがんばっていたというのが、頭にフラッシュバックするから。





それに…あんなに小さな命を奪った俺だからこそ、母さんや父さんにはこれ以上迷惑はかけたくねえんだよ…。





「ねえ、どうして…病院に行かないの?」





真っ直ぐな瞳が俺を捉える。
…この感じ、知ってる。
だけど目の前にいる、逢原というやつが思い出せない。





「……俺には、妹がいたんだ」





今日初めて会ったやつなのに。
その瞳から逸らせなくて。
気がついたら、俺の口が言葉を紡いでいた。






———





俺が15歳、華菜が5歳のよく晴れた夏休みのある日。





ひとりでお使いと言うモノがしたくて、だけどひとりじゃ危ないからと母さんに言われ、俺は華菜について商店街へと買い物をしに行った。





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