キミと帰る道
◇10 1からのスタート
【◇10 1からのスタート】





(すず)





涙が零れそうなときは、空を見る。
どこまでも続く果てしない空。





晴れた空。
曇りの空。
雨雲の空。
雪雲の空。





どんな空でも。
見ているうちに、涙は止まるんだ。









学校に行きたくない。
聖羅ちゃんに会うのが怖い。





だけどお母さんに仮病は通用しなくて。
どんなに泣いても目が腫れるわけじゃなくて。
私の健康さに少し…腹が立つ。





聖羅ちゃんは…藤谷くんを想う私と友達でいてくれるのか、ものすごく不安で。





秋色に染まった通学路を歩く足取りは、ものすごく重い。





このふわふわな不安定な気持ちをどうすればいいのかわからなくて。
友達との関係も崩れちゃうのが悲しくて。





辛くて。
苦しくて。





なぜだか昨日はたくさんの涙が零れた。





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