最初の2回は大きな営業所の監査だったが、あとしばらくは小さな営業所の予定で、監査は2人きりで行くことになっていた。

 隼人はため息をついた。正直、気が重い。あれから雪菜は相変わらず無表情で、粛々と仕事をこなしていた。あの笑顔は幻だったんだろうか。

「失礼しまーす」

 鬱々と考えていたら、美乃里がひょっこり顔を出した。

「あれ?小泉さんは?」

「今、資料を取りに行ってる」

「あ、そうですか。じゃあまた後で来ます」

 美乃里が帰ろうとしたから、隼人は呼び止めた。

「笠井さん、ちょっといい?」

「はい?」

「聞きたいことがあるんだけど」

「はあ……」

 美乃里はいぶかしげな顔をした。

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