お昼の放送です。

秘密のお仕事







☆柚美side☆



「香坂さん」


お弁当の時間の次の時間、つまり5時間目の初め。

担任が学級委員の鳴海に話しかけた。

ちなみに、鳴海は飼育委員に入りながら、先生が推薦した学級委員にもなっている。

そんな器用なこと、私には出来ん。



「日誌に書きくわえてほしいことがあるのよ」

「何ですか?」

「桜田くん、早退したから、書いておいて」



桜田が早退?

私より先に教室へ戻ったはずなのに・・・。

早退していたなんて。

サボりか?



前の桜田の印象だと、体調不良で早退を連想させていただろうけど、桜田の本性を知ってしまったからな。

サボりをしても可笑しくない性格だからな、あれは。



「桜田早退だって、柚美。
手洗いうがいには気を付けるんだよ?」

「どうして?」

「桜田から風邪の菌がうつされたかもしれないじゃない。
柚美は放送委員でさっきまで一緒だったんだから」



・・・どうやら鳴海は、桜田が体調不良で早退したと思っている。

アイツの本性も知らないくせに。



「柚美!鳴海!今日の放課後暇ー?」


相変わらず元気な由布子が机から体を乗り出してくる。






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