憂鬱なソネット
「……うしっ、飲み行くぞ、寅吉!」







あたしは寅吉の肩に腕を回し、大声で宣言した。




寅吉が目を丸くする。






「えぇっ、これから? こんな昼間に?」





「休みに昼から飲んで何が悪い!!」





「あやめさんって変わってるね……」





「あんたに言われたくないわ!!」







あたしは寅吉に二度目の蹴りを入れ、あははと笑いながら、駆け出した。






* * *

第一部 出会い編 完




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