ぷちっ。

ぷちっ。

机に向かっていると、私の左手は自然と髪の毛にいってしまう。

ぷちっ。

ぷちっ。

抜き始めたらとまらない。

だってすごく、気持ちがいい。

イライラが、すっと抜けていく感じだ。

私はユウカ。中学2年生。

……あ、この手触り……!

私は日本史のテキストの上に、シャープペンを置いた。

今抜いた髪の毛を、両手でじっくり確かめる。

毛根のところに、毛を包む、透明なものがついていた。

それはほんの数ミリの、小さなゼリー状になっているもの。

透き通っていて、とても綺麗。

私はその透明な、ちくわ状のものがついた毛根を「宝石」と呼んでいるのだ。

そしてその、「宝石」のついた髪の毛は、スヌーピーのメガネケースに大事にしまった。

メガネなんて、私はかけていないけれど、100均で買った、文字通りの「宝石箱」だ。

もう、この宝石箱も、みっつめになる。

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リアル  偽り  ピュア  シリアス  トリップ  曖昧  不器用  切ない 

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