To important friends

閉じた世界の中で

いつもより近くで緑の香りを感じる。
ざわざわ木々を揺らす風の音に鳥の歌声が聞こえてくる。
どんどん浮上する意識の中で、ふとここはいつもの自分の部屋なのかと言う疑問が生じる。

目が覚め、ふと見渡したここ。
あたりは木々に覆われ、木漏れ日が私を照らすそんな場所だった。

「えっ?待ってここどこ?」ふとこぼれ落ちた自分の声。
薄れてゆく意識の中であれ、流石に自分の部屋と屋外は間違えない。
間違いなく自分の部屋にいたはずだった…。
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