あなたの恋を描かせて
*4*




「へぇ。あのあとそんなことがあったの」



よかったじゃない、と言うちなつちゃんに思わず脱力。



「全然よくなかったよ……」



緊張しすぎておかしくなりそうだったんだから。


もう本当に……あんなに緊張したことは過去にもないと思う。


城越くんみたいに綺麗な顔だと、見ているだけでちょっとドキドキするし。


今食べてるご飯も喉を通らないよ……



「そういえば、明乃ちゃん来ないね」



どうしたんだろうと思っていると、ちなつちゃんに明乃は今日から来ないわよ、と言われる。



「どうして?」


「明乃は今日から彼氏と食べるって」


「えっ!?明乃ちゃんって彼氏いたの!??」



わたし、初耳だよ!!


なんでも昨日試合に出ていた人に告白されて、実は明乃ちゃんもその人が好きで。


二人はめでたくカップルになったとかなんとか……


思い返してみると、確かに昨日の明乃ちゃんはある試合をずっと見てたっけ。



「そっか……」



明乃ちゃんが好きな人と両想いになれたのは嬉しいけど、ちょっと寂しいな。


そっか……普通はいっしょにご飯を食べたり、帰ったりするんだよね。


…………あ。





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