ランチタイムは戦争だ。

 洋食処 菫亭。厨房には店長と、その他数名の厨房スタッフ。ホールは店長の奥様と私とバイトが早番遅番で入ってまわしている。
 この店が入ってるビル自体が店長夫婦の持ち物で、四階建ての四階が住居になっており、二階、三階はテナントが入っている。

 地元に定着し、すっかり人気店になったこの店はランチタイムになると近くのサラリーマンやOLで満席になる。
 いかに効率よく、スピーディーにお客様にランチを提供するか。流石に勤務歴も長いのでその辺りは体に身に付いているが、最近入った学生バイトの横田さんは、ランチタイムに一度はパニクる。

「あ、ヤバイです。葛原さんこれどこに持っていくんでしたっけ!?」

 眉を八の字にして、横田さんが今にも泣き出しそうに私を見上げる。
「大丈夫だから落ち着いて。5番ね、行ってらっしゃい」
「はい!」

 横田さんはとても可愛らしい、いかにも守ってあげたくなるようなタイプの女の子だ。

 実際横田さんが入ってから彼女目当てのお客が増えた……気がする。明るいブラウンにカラーリングした髪をくるくる巻いてポニーテールにして、身長は164センチの私よりも低い。くりりとした眼は潤みがちで、女の私から見てもリスみたいでとてもかわいい。

 いかにも女の子!て感じの。

 

この作品のキーワード
アラサー  結婚  美男子  大人の恋  僧侶  溺愛  逆ハー 

感想ノートに書き込むためには会員登録及びログインが必要です。