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「葛原さんっ!どっ、どこで知り合ったんですか、あんな素敵な人!」

 職場で顔を会わせるや否やいきなりやってきた横田さんに、食いつかんばかりの勢いで捲し立てられた。

「えー、どこって……うちの菩提寺にいらしたから夏の棚経の時にうちに来て……」
「あの方凄いイケメンだし、あのいい感じに落ち着いた声、たまらなくないですか?あの声で耳元で囁かれちゃったら私イチコロですよ!」

 横田さんがやや興奮気味。

「……そうなの?」

 その声に囁かれまくってますが……
 まぁ、確かにちょっとは支倉さんのあの声とか、所作にやられてきてるけど。

 横田さんははぁぁぁ~と明後日の方向を見て何か思案にふけっている。

「でも、葛原さんが越智さんになびかなかったの分かります。あんな素敵な人が身近にいたら、越智さんには悪いけど……無理ですよね」

 横田さんが可愛い顔でにっこり笑う。

「うん、まぁ……素敵な人だよねぇ」
「やだ、葛原さんノロケー!」
 
 何故かテンションの上がった横田さんにバシバシ背中を叩かれた。
 い、痛いな……と思いつつ、やっぱり支倉さんは他の人から見ても素敵な人なんだと改めて実感する。

「で。あの方と結婚するんですよね?」
「……うーん、それが今悩んでるところで……」

 横田さんの表情が固まった。

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