不機嫌な彼のカミナリ注意報
6.認める気持ち
***

 目の前には男女ふたりのペアで、バドミントンをしている光景が広がっている。
 ほどよくバーベキューでお腹を満たされた後、みんなは各自散らばって楽しそうに遊んでいた。

 私はと言えば……
 風見さんに連れて来られた木陰で、そのままずっと休憩中だ。

 熱中症にはならなかったし、体の熱さも取れた。だから動けないことはなかったのだけれど。

 風見さんもずっとここに居てくれるから、私も居たいと思った。
 程よくあけられた椅子の距離がもどかしい。

 でも、話ができるくらい近くに居るのがうれしくて、私はここから動けないでいる。

< 173 / 328 >

この作品をシェア

pagetop