不機嫌な彼のカミナリ注意報
 風見さんに『バドミントンしないんですか?』という質問は……愚問だからやめておこう。
 この人がやるわけがないし、似合わないと思う。

 気がつくと、風見さんが立ち上がって私たちの輪から離れて行く。
 どこに行くのかと視線で追いかけると、離れたところで煙草を吸っていた。

「ここで吸ってもいいんじゃないですか? 外なんですから」

 戻ってきた風見さんに声をかけると、小刻みに首を横に振られた。
 携帯灰皿があるのだから、別に構わないような気がするけれど。

「俺自身が人前では吸いたくないんだ」

 それが気遣いなのか、こだわりなのかわからないけれど、風見さんなりの理由があるらしい。


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