不機嫌な彼のカミナリ注意報
 それなら、私が見たあの子はなに?

 栗色の髪で、ふわふわのスカートを履いていて、かわいらしいメイクと仕草だった。

 ……私と、まったく間逆だと思う。

 きっとそういう子のほうが、元からタイプだったのだろう。
 私とのことは、魔がさしただけ。


『そんな歯の浮くようなセリフを言う男、怪しいと思わなかったの? すぐに信じるほうが悪い! 寧々は見る目がなさすぎるのよ』


 そう言って、親友にも怒られた。
 どうやら私の目は節穴らしい。

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