不機嫌な彼のカミナリ注意報
「それなら仕方ないよね。また今度美里も一緒に飲もう」

 そう言って真那(まな)が私の隣で笑う。
 彼女は入社後に私と同じ総務部に配属され、それ以来ずっと仲良くしているから今では親友のような存在だ。

「それにしても、昨日の朝の社内メール見て驚いた。異動の一覧の中に、寧々(ねね)の名前があるんだもん」

 心配そうな顔をする舞花に、私はうなずきながら苦笑いの笑みを浮かべた。


 昨日、社員全員に一斉メールが送られてきた。
 その中に、異動を知らせる一覧表があり……

『 総務部 緒川(おがわ) 寧々 マーケティング部へ異動 』

 私の名前がはっきりと書かれていた。

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