また、キミに逢えたなら。
素顔
次の日の夕方。
2階のテラスでシロー君が来るのを待っていた。
ここにはあんまり人もいないから、なんだか落ち着く。
だけど
いつ来るかわからないシロー君のことが気になって、ソワソワしてして……。
足音がする度にドキッとして、そこを凝視してしまう。
ここを通る人は病院関係者の人が多かった。
どうしよう。
緊張しすぎてヤバいよ。
話すことだって考えてない。
ただ逢いたい。
その一心だった。
気持ちを落ち着けようとソファーに座って大きく息を吸い込んだ。
そしてゆっくり吐き出す。
すると透析室のドアがガラッと開いた。
ドキン
そこから出て来たシロー君を見て胸が高鳴る。
ドキドキして緊張から手に汗握る。
……どうしよう。
こっちに来る。
シロー君は私に気付いていないみたいだった。
「あ、あのっ!」
そんなシロー君の元に駆け寄って声をかけた。
俯き気味に歩いていたシロー君は私の声に顔を上げる。
吸い込まれそうなほどの綺麗な瞳と視線が重なった。