また、キミに逢えたなら。


「あなたったら、そんな大きな声を出さなくても」



呆れ顔で笑うお母さん。



「父さんは莉乃のことになると必死だからな」



しまいにはお兄ちゃんまでもが苦笑い。



「莉乃ちゃんが結婚するってなったら大変だろうね」



美緒さんは私の耳元でコソッと呟いた。



け、結婚……。


私もいつか、誰かとするのかな。



なぜかシロー君の顔が浮かんで


体温が上昇していくのを感じた。



いつかドナーが見つかってシロー君の病気が治ったら、この想いを伝えてもいい?



“好きだよ”って。


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