また、キミに逢えたなら。


「ごめん。なんか俺、キモいこと言ったよな」



今度は苦笑いを浮かべるシロー君。


私は大きく首を振った。



「そんなことないよ!私もシロー君と手繋ぐの好きだから……嬉しい」



シロー君のことが好きだから。


だから、嬉しい。


求められていることが。



「そっか。なら良かった」



ためらう私の手を取ったシロー君は、そのままゆっくり歩き出した。



まだ見てないところを回り終えると、もう夕方になっていた。



楽しかった時間も、もう終わりを迎える。



なんとなく寂しかったけど



「次はコスモス畑に行こう」



シロー君のその言葉で一瞬で気分が晴れた。



今日の日のことを、絶対に忘れないよ。


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