また、キミに逢えたなら。


“待ってて”



そんな卑怯なことは言えなかった。



だから保に聞かれても、“付き合っていない”ときっぱり言い切った。



そうすることで莉乃が悲しそうに笑っていたことに気付いていたけど、気付かないフリをした。



俺以外に良い奴がいたらそっちを選べばいい。



死ぬかもしれないのに“待ってて”なんて、そんな期待させるようなことを言えるわけがなかった。




だから


だからさ


もしも奇跡が起こったら


奪い返しに行ってやる。



振り向いてくれるまで、何度も何度も気持ちをぶつけるよ。



だから待たなくていい。



悲しまなくていいんだ。



キミは


キミの道を歩めばいい。


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