小さな音をたて、一定のリズムでベッドが軋む。

細長い指が、背中から腰の上を動く。

そのなめらかな動きに合わせるように、思わず唇から吐息が漏れた。

「ここがイイのか」

低い声はそう呟くと、意地悪そうに動きを止める。

「ちがうっ」

だが、言葉とは裏腹に、びくりと体が反応した。

それに満足したのか、再び指が動き始める。

円を描いたかと思えば、ふいに別の場所をなぞっていく。

「……ダメ」

弱々しく抵抗してしまったポイントを執拗に責められ、拒否したくても後が続かない。

クールダウンしたはずの体が熱を帯びていく。

ワンピースをまとった上からでも、指先から全部伝わってしまったのだろう。

ふいに耳元で囁かれた。

「嘘つきだけど、カラダは正直だよな」

もう、これ以上耐えられない。

こらえていたため息をつき、枕代わりのクッションに顔をうずめる。

「ギブ?」

楽しそうな声が頭上からかけられた。

「……マッサージしてくれるんじゃなかったの?」

下を向いたまま、恨めしそうに文句を言う。

図書館内にある書庫の整理により、今日の業務は普段よりも重労働だった。

明日は間違いなく筋肉痛だろう。

シャワーを浴びて部屋で寛いでいるところを、遊びにきた蒼に襲われたのだった。

「冷却シートより、俺のマッサージの方が効果あるから」

テーブルに置いていた救急箱を見た蒼が優しく笑った。

そんな甘い言葉を信じたのが、そもそも間違いの始まりだった。

最初は腰や肩を指圧してくれていたのだが、途中から本来の目的を忘れてしまっている。


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いちゃいちゃ  あまあま  ラブラブ  溺愛 

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