暖かい講堂から外へ出ると、冷たい風が急に吹き付けて私を襲う。

マフラーを持って来れば良かった、と首をすくめながら後悔した。
半年とちょっと通い続けた敷地内を、次の講堂に向けて早足で歩く。
上を見上げれば、入学したばかりの私を迎えてくれた桜並木も、今はすべて葉が落ち、寂しさを醸し出している。

その並木道をしばらく歩いていると、カバンの中でスマホが微振動する。私は内ポケットに入れたそれを取り出した。

それは一通のメールによるもので、内容は、次の2限の授業が休講になったというもの。
私はがっくりと肩を落とした。

次の私の授業は、昼休憩後になる。
つまり、これから何時間か暇を持て余すということ。
どうやって過ごそうかと頭をひねっていると、再びスマホが手の中で震えだした。

次のそれは、とあるコミュニケーションアプリのものだった。

『お前もどうせ暇してんだろ。食堂で待ってる』

問答無用のあいつの呼び出し。

何勝手に決めつけてんのよ…。

心の中で悪態をつくけど、それが事実なのもたしかで。私は食堂へと足進めた。

こうやってあいつから急に連絡が来るのは、日常茶飯事のことだ。
そして、胸を高鳴らせてあいつの所へと足を早める私も、もういつものこと。

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