ゆきあそび
結婚式
ピピッピピッピピッ爆発寸前の時限爆弾を阻止しようとした所で、私は目を覚ました。
爆弾は爆発したのか、釈然としない最悪な目覚めだ。
「あっ」
思い出した。今日の午後はあいつがくるんだった。
同じ小学校に同じ中学校、いわゆる幼なじみだ。
「結婚するから」と告げられたのは先月だった。観光地の地元に住む私は、美術館の受け付けを仕事にしていて、なかなか友人と休日が合わなかった。土日祝日しか休みがない幼なじみは、私が断っても半休をとって結婚相手に会わせたいから、私の家に来るといってきかなかった。

あいつは私の大切な恋敵だったし大切な友人でもあったから、私の知らないうちに全て済ませるなんて、絶対に許さない。と内心は思っていたからとても嬉しかった。
笑顔で式をあげてもらいたかった。
赦したかった。
18年前の夏休みのことも一緒に…。




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