「そういえば、蓮さん。理子さんってご存知ですか?」

「あぁ…、想一郎の幼馴染みの?」

帰ってきた蓮さんの食事を準備しているときに、この間の彼女のことを思い出し、カウンター越しにそう尋ねた。

蓮さんは、やはり彼女の存在を知っていたらしい。

副社長秘書としてなのか、想一郎さんの親友としてなのかは、分からないけれど。

「彼女と想一郎さん…、大分仲がいいみたいですね」

ご飯をよそいながらそう呟いたが、蓮さんからの返事はなく無言が続く。
どうしたのだろうと気になり顔を上げると、そこにいる蓮さんは真剣な眼差しをこちらに向けていた。

「……え?どうしたんですか?」

「あぁ、いや……。藍、それって…ヤキモチ?」

蓮さんの問いかけに私は衝撃を受けた。

「な…っ!?え?どうしてそうなるんですか?」

「いや、だって…。あの子と想一郎の仲の良さを気にしてたから…そうなのかと」

それは私にとっては考えもしないことだった。

理子さんと想一郎さんが話をしているときに、対抗心みたいなものは湧いてきたけれど、あれは嫉妬だったのだろうか。

たしかに、想一郎さんの婚約者という立場を求めている私は、親しくしている理子さんに対してヤキモチを抱いてもおかしくはないだろう。

けれど、あの彼女にヤキモチを妬いているというのは、私にはどこか不本意に思えた。

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