真っ赤なドレスを翻しながら、私はエレベーターに乗り込んだ。


ノースリーブタイプのシルクのドレスは、膝上あたりからフリルが何重にもなって重なっていて、シンプルながらボリュームのあるものだ。

肩からファーのボレロを羽織って、胸元は敢えて何もつけずにデコルテを強調。

長い髪をアップにまとめたせいで、うなじから背中へのラインが露わになっている。
少し身長の高い人が覗けば、ちらりと肩甲骨が見えるだろう。


最上階に到着して開いた扉の向こうに、私はハイヒールを鳴らしながら向かっていく。

その人は今日は既に待ち合わせ場所で真っ直ぐに立っていた。


ポケットに手を入れ、腕時計を見るその様は、立っているだけで女性の目を奪うほど、キマっていた。

「お待たせしてすみません、想一郎さん」

こちらに気づき、顔を上げたその人の側に私は駆け寄る。

「久しぶり。藍」

「今日は誘ってくださって、本当にありがとうございます」

「こっちこそ、来てくれてうれしいよ。立ち話もなんだから、向かおうか?」

そう言って差し出された腕に、私は迷いなく自分の手のひらを添える。

この作品のキーワード
変身  シンデレラ  四角関係 

感想ノートに書き込むためには会員登録及びログインが必要です。